県中央部地域の反射法断面図(平成13〜15年度)では、マーカーbが下位の地層を傾斜不整合で削剥しているのが観察され、平成15年度反射法断面図と既存の表層地質図の対比から、マーカーbは笠森層下部の万田野礫層、マーカーBは柿の木台層下部にそれぞれ対比できる。反射法断面図で、マーカーBはマーカーbを大きく削り込み、マーカーBを境に上下の反射面の構造が大きく異なることから、地質的な上総層群と下総層群の境界はマーカーBとした。モデル作成に当たっては、マーカーBを物性の境界として採用した。その理由は、
マーカーBとマーカーbは、同程度のインピーダンスコントラストを持ち、物性的にはどちらも速度境界となるが、屈折法解析からは、マーカーBを境界とする方が反射面と屈折法の境界がよく一致する。
千葉県北西部地域においては、マーカーBはマーカーbを削剥していない。江東観測井、下総観測井の地質区分が一致している。
マーカーBは千葉県中央部地域できわめてよく連続する反射面であり、広域的に追跡が容易である。マーカーbは、県中央部地域の南部・西部では存在しない。
下総層群の堆積状況分布を見ると(図8−1)、千葉県中央部の湾岸線(北北東−南南西)に沿って等深度線が並び、市原市の東京湾沖で深度約700mとなり、当地域の最深部となっている。