2−5−1 既存データのレビュー

再解析に用いたデータは平成11〜12年度のデータ26地点と平成13年度のデータ10地点の合計36地点である。各アレイの中心点位置を表2−5−1図2−5−1−1図2−5−1−2に示す。平成11〜12年度のアレイは主に千葉県の西部(以下西部地域と称す)に分布し、先新第三系基盤の深度は概ね3000m以浅と推定されている。また、平成13年度のアレイは主に千葉県の中央部(以下中央部地域と称す)に分布し、先新第三系基盤は3000m以上と推定されている。

再解析に用いた各アレイの表面波位相速度を図2−5−2−1図2−5−2−2、に示す。

・ 西部地域では一部分の地点を除いて、約0.15Hz(周期約6.5秒)〜1.7Hz範囲の位相速度が得られている。また、低周波数側の位相速度は約2200m/sであり、概ね先新第三系基盤を反映するものと推定される。

・ 中央部地域では約0.18Hz(周期6.5秒)〜1.7Hz間の位相速度が得られている。位相速度カーブは全体的に滑らかなもので、速度境界に対応する変曲点は明瞭に見られないのが特徴である。

・ 全域にわたって、殆どの地点において2Hz以上の位相速度が得られておらず、浅部地下構造の解析精度に影響すると考えられる。