(1)調査地点の特徴

調査地点は、図2−4−1に示したように京葉臨海工場地帯に3地点、市原市役所周辺部に1地点の計4地点である。調査地点の特徴は、

@ 既存資料において、本調査地域の先新第三系基盤深度は深く3000m〜4000m以上と推定される。

A 京葉臨海工場地帯では、工場から発生する振動が微動アレイ探査において強いノイズとなる可能性が十分考えられる。

B また、工場敷地内でのアレイ配置は、工場の施設のため地震計配置の制約を受け、アレイ配置の工夫が必要となる。

C 先新第三系基盤が深いため、微動アレイ探査ではできるだけ低周波数域で精度の高い位相速度(地震計の特性で7秒まで)を求めることが重要と考える。

表面波位相速度の推定できる周波数範囲は、観測した微動のパワースペクトルの大きさ、地下構造の性質、観測データの品質及びアレイサイズによって左右される。一般にアレイサイズが大きいほど、データに含まれるノイズの影響が小さくなり、深部地下構造を反映する低周波数域の位相速度が得られる。

一方、アレイサイズを大きくすると観測データのS/N比が悪くなり、その程度はアレイがカバーする範囲の状況に左右される。また、アレイサイズが大きくなると、アレイ直下の地質構造は変化する可能性も考えられる。

それらの対策として、観測データのS/N比は観測時間長と観測点数を増やすこととする。

以上のことを考慮してアレイ形状・サイズおよび観測時間帯等を設計した。

図2−4−2,  図2−4−3,  図2−4−4,  図2−4−5に各調査地点の観測点配置図を示した。