3−4−2 基盤深度図の作成

当地域には、地質調査所の1kmメッシュのブーゲー異常データがあり、ブーゲー異常図も発行されている。このブーゲー異常値(堆積層の密度=2.0g/ccと仮定)と、反射法断面図から求めた基盤上面の深度および坑井での基盤深度のクロスプロットを行ったものが図3−36である。

この図では、反射法のデータは約2kmおきに読み取った基盤深度を用いている。

地域をはずれる坑井(たとえは岩槻地殻活動観測井など)は、クロスプロット上でもかなりばらつくため、これらを除外して求めた近似曲線は、

D = 17.23 x BG + 2206

と求められた。ここで D は基盤深度(m)、BG は密度を2.0gr/cc と仮定したときのブーゲー異常値(mgal)である。

当地域内に限定すれば、ブーゲー異常値と基盤深度に線形に近い関係が見られることから、図3−37に示す流れにより、基盤深度図を作成した。

基本的な考え方としては、

1)まず坑井データ・地震探査から読み取った基盤深度を正しいものとして扱い、これらをコントロールポイントとした。

2)ブーゲー異常値と基盤深度の関係をチェックし、以下の一次式で近似できるものとした。

D = 17.23 x BG + 2206

ここで D は基盤深度(m)、BG は密度を2.0gr/cc と仮定したときのブーゲー異常値(mgal)である。この関係により、ブーゲー異常値を反射法・坑井データがない部分の他に用いるものとし、この関係で仮の基盤深度図を作成する。この基盤深度図は、坑井や反射法の深度とはずれがある。

3)各コントロールポイントにおいて、読み取った深度(D0)と2)で近似された深度(D)の差を求め、その差の平面分布図を作成する。

4) 2)の基盤深度図に、3)のずれの分布を加えることにより、各コントロールポイントでは読み取り値にほぼ等しく、かつ、コントロールポイントから離れたところではブーゲー異常値を反映した基盤構造図が得られた。

図3−38 は50万分の1の基盤深度図、図3−39−1は20万分の1の基盤深度図である。