2−7−3 S波地震探査

測線2の中央部に設置した三成分受振器により、約3kmの区間において、

・P波大型バイブロサイスを震源とするS波屈折法

・S波ミニバイブを震源とするS波反射法

・P波大型バイブロサイスを震源とするS波反射法

を実施した。

これらの記録を解析した結果から次のことが明らかとなった。

・松戸市主水新田での発震記録(SP−F)中にS波の速度(約3km/s)を示す直線的な波が認められた。

・S波ミニバイブ・P波バイブロサイスの三成分受振器で取得されたデータに対して速度解析を行ったところ、両震源とも走時約2秒までのS波速度が速度解析により求められた。これは、深度で約500mの上総層群の上部に相当する。

・地表から深度10〜40mまで部分に表層低速度層が分布し、そのS波速度は約0.14km/sである。これは、発震記録中より読み取られる。その直下の速度は、約0.3km/sである。100m以深で速度の増加は緩やかになり、下総層群下限で約0.5km/sになっている。

・上総層群の上位までの反射波は、S波ミニバイブの記録とP波バイブロサイスの記録が比較的良く対応し、P波バイブロサイスによって発生したS波の反射波を捉えていることが確認できる。

・先の屈折法地震探査でP波の基盤岩屈折波が初動として現れる最小距離は、約4.0kmであるが、S波の基盤岩屈折波が現れる最小距離は、速度構造の違いから、1.5km程度と見積もられる。