(1)観測記録

中・小アレーの17地点の観測は、表2−4(1)および表2−4(2)で示したとおり、平成12年8月21日から9月20日の期間内において、再観測等も含め実施した。各地点での観測開始前には、公園などの公共施設敷地内でハドルテストを行い、機器(地震計および記録器)特性などの一致性を事前に確認した。ハドルテストの結果は、アレーの中心点に設置する地震計を基準として、残りの6台(二重正三角形の各頂点に設置する地震計)との特性を比較したもので、図2−50−1および図2−50−2に示したように、いずれの地震計もスペクトルの安定性、位相の一致性やコヒ−レンスの良好さは明瞭に認めることができ、データ取得での問題が認められないことを確認することができた。各地点における観測実施日ごとのハドルテスト記録については別冊資料集に付した。

図2−45は観測の初日にあたる8月21日に実施した、No.16(KRG)地点における地震計の設置点(7箇所)ごとの観測波形の一例を示したものである。図2−46には同じくNo.16(KRG)地点における観測記録のパワ−スペクトルの一例を示したものである。各地点における観測波形およびパワ−スペクトルは、それぞれ別冊資料集に付したが、いずれもスペクトルのパタ−ンは観測中においてほとんど変わらず、時間的および空間的な定常性を確認することができた。