(1)中・小アレー調査地点

平成10年度のNo.25(SMU)およびNo.26(FNB)の2地点の調査結果から、地下浅部〜深部に至る地下構造の推定には、アレーサイズを複数組み合わせるSPAC法(空間自己相関法)が適していると評価された。

平成11年度の調査においては、基盤とされる最下層までの深度およびS波速度を把握するためのアレーサイズの組み合わせとして、2,000m、600m、200mの3通りのアレー半径による観測が適切であると判断し、計26地点のうち9地点で観測を行い地下構造を推定した。また、他の17地点については大アレーのみの観測を実施し、位相速度を求めた。大アレーのみの観測を先行して実施した理由は、地下深部の情報を有する長周期成分のデータが冬季に卓越するため、この時期(冬季)に微動観測を取得する必要があったためである。

平成12年度は上述した17地点において中・小アレーの観測を行い、大アレーのデータと合わせた位相速度解析、fGAによる逆解析を行い地下構造を推定した。