2−5−2 調査地点

各調査地点の鉛直方向のS波速度構造を明らかにするとともに、千葉県西部から北西部にかけての地域のS波速度構造(地震基盤面までの深度3,000m程度の深度に対応する構造)の基礎資料を得るために微動アレー調査を実施した。

今年度までの3ヵ年の調査の流れについては、図2−37に示す。また、今年度までの調査結果の概要については、表2−4に示す。

調査地点は次のような方針に基づいて設定した。

・調査地点は地震防災上の観点から首都に近接し、人口が密集する県西部から北西部に計26地点を選定した。

・観測点は調査地域内の各市町村に既設してある地震計の設置点を優先し、選定した。

図2−38に過年度の調査地点を含めた全調査地点位置図を、また表2−5に全調査地点の一覧を示す。

平成10年度から平成12年度にかけて、計26地点で大・中・小の各アレーサイズによる微動観測を実施し、このうちの4地点においては極小アレー半径による微動観測も併用した。

本年度の観測形態は、アレー半径等によって次の3種類に分類した。また、別冊資料集に各地点の調査位置図および地震計設置位置を「点の記」として示した。

各調査地点の観測形態については以下のとおりである。

  

@中アレー(最大アレー半径600m)・小アレー(同半径200m)調査地点

No2(URC)、No.3(GUT)、No.4(ICC)、No.5(FNC)、No.7(NRC)、No.8(MGM)、No.9(YCY)、No.11(MTC)、No.12(YBS)、No.13(KMC)、No.14(SRC)、No.16(KRG)、No.18(KSC)、No.19(SYT)、No.20(ABK)、No.22(INC)およびNo.23(NGR)地点;計17地点

これらはいずれも平成11年度に大アレー(最大アレー半径2,000m)の観測を実施した地点でもある。

A観測時期の影響を確認するための中・小アレー調査地点

No.10(YAG)、No.15(CNT)地点;計2地点

これらは平成11年の冬季に観測を実施した地点であるが、観測時期の違いによる影響を検討するために、平成12年の夏季に再度、中・小アレーの観測を実施し、平成11年度の結果と比較・検討を行った。

B極小アレー(最大アレー半径48m、12m)調査地点

No.3(GUT)、No.13(KMC)、No.20(ABK)およびNo.25(SMU)地点;計4地点

浅層部を対象とした極小アレー半径による観測を実施した(平成12年度に実施した中・小アレーとの重複地点は、No.3、No.13およびNo.20の3地点である)。

合計、小・中アレー19地点、極小アレー4地点。