(4)はぎとり法による地下構造の推定

3層ないし4層の構造を仮定したはぎとり法の解析を実施した。

3層の構造は、堆積層上位の速度およそ1.6km/sの層、堆積層中の速度およそ2km/sの層、見かけ速度5〜6km/sの基盤岩の3つである。

図2−22−1図2−22−2に走時曲線の解析結果を示す。

第1層の速度は、それぞれの屈折波の傾斜からおよそ1.7〜1.8km/sと求められた。

第2層の屈折波の走時曲線が交差して読み取れる範囲は、測線1ではSP.BとSP.Cの中間、測線2ではSP.Fの周辺に限られた。第2層の速度は2.2km/sと求め、交差範囲での第1層と第2層の境界は解析により求められた。二つの交差部分の間、および交差部分から測線の端までの部分は、反射法地震探査の結果からほぼ水平と推定されるので、直線で内外挿を行った。

第3層の走時曲線は、測線1ではSP.B付近およびSP.Cのやや南西よりで重なっており、ここでの基盤岩速度は5.1〜5.2km/sと求められた。測線2では、SP.F付近で交差しており、基盤岩速度は5.5km/sと求められた。

第2層と基盤岩の境界の構造は図2−23−1図2−23−2の上図のように求められた。