2−2−2 データ取得作業

調査は、許認可申請・地元交渉等の事前準備を経て、平成12年8月2日受振点杭を設置し、測量作業を開始した。データ取得作業は平成12年8月5日に測線2より開始し、8月12日に測線1が終了した。 データ取得作業期間は延べ14日間であった。総受振点数および総発震点数は以下のとおりであった。

           総受振点数  P波反射法発震点数  P波屈折法発震点数  S波反射法発震点数

測線1         480            480           4             −

測線2(垂直)     640            640           3             −

測線2(三成分)    240            33                         22

データ取得作業は、平成12年8月5日に作業場事務所を設営し、関係先挨拶、資機材搬入等の諸準備から作業を開始した。

資機材搬入後、8月6日より測線東から受振器/ケーブル等の設置作業を開始した。

8月7日に調査のためのパラメータテストを行ない、測定作業を開始した。

以後、順調に測定作業を進め、8月27日に全測定作業を終了、引き続き観測機器等の撤収、資機材の搬出作業を行ない、8月30日に現地調査を終了した。調査終了後、関係各所への終了挨拶等を行った。

市街地での調査のため、地元市町の職員と同行しての関係先への説明、地域住民への周知徹底のためのチラシ配布等の調査前準備が調査測線近傍全区間に渡ってなされ、また、実発震作業時にもできうる限り各戸訪問説明等を行った。その結果、多くの方々は調査の趣旨を理解し興味を示して比較的協力的であった。

[測線1]

測線1のP波反射法の測線では都市部であるため道路は舗装されており、受振器は極力植込みや道路横の露出地面に設置したが、利用できない場合はアスファルト上にアルミ製受振器スタンドを使用して設置した。受振点位置が交差点や三叉路の中にあたる場合は、正規間隔で設置せず受振点位置を近くの歩道側にずらした。また、交差点・三叉路付近、停留所・商店出入り口等で歩行の邪魔となるところでは、受振器を固めて隣接して設置する「バンチング」を併用した。

測線1では、調査測線と交差する道路が多数あり、特に交通量の多い幹線道路ての本線ケーブルの道路横断には、信号柱を用い高架渡しを行った。高架渡しを行ったのは、浦安市内の8ヶ所および市川市内の2ヶ所である。この他の交差点では、道路地下の水路等を通すか、ケーブルをゴム製のカバーで覆って道路面を横断した。

また、江戸川放水路を横断する受振点321〜336の範囲は、江戸川を横断する国道357線の橋脚沿いに浅海用のベイケーブルを敷設してデータを取得した。

[測線2]

測線2のP波反射法測線は、南端部の約50受振点を除いて江戸川河川敷内あるいは堤防上にあり、ほとんどの区間で露出地面に受振器を設置することができた。

測線2北端から流山橋(受振点196)までの範囲は、受振器は江戸川沿いの堤防上サイクリングロード脇に設置したが、この間はバイブロサイス斜が進入できないため、対岸の埼玉県三郷市側の河川敷でオフセット発震を行った。オフセット発震の発震点番号は、1000番代とした。また、受振点320から370の範囲約1.2kmは、車両が通行可能な管理用道路がないため薮を伐開し、そこに受振器を設置し発震を行った。

発震作業にあたっては、発震点毎の騒音・振動の様子を確認しながら、適宜

・スイープ数

・出力レベル

・バイブレータ車の台数

の調整等を行った。

原則として測線1では3台稼働、測線2では2台稼働、それぞれ12回スタック/点を基準としたが、各発震点の状況に応じ臨機応変に対処した。バイブレータ発震出力についても状況に応じ、最大出力の40〜80%に変えて行った。また、現地状況の許す限りスタック回数およびバイブレータ発震出力を上げ記録質向上に努めた。

現地調査の作業状況については、付図1−1付図1−2付図1−3付図1−4付図1−5付図1−6付図1−7付図1−8付図1−9付図1−10付図1−11付図1−12付図1−13付図1−14付図1−15付図1−16付図1−17付図1−18付図1−19付図1−20付図1−21付図1−22付図1−23付図1−24の現場写真を参照。

図2−8−1図2−8−2図2−8−3図2−8−4図2−8−5図2−8−6にP波反射法の現場記録例を示した。各図は、1発震点に対して、地表の240受振点で観測した記録であり、横軸は受振点の番号、縦軸は時間となっている。参考のために各図の上部に測線図も同時に添付した。

概ね、良好な記録が取得されている。

反射法データ取得作業の結果、次のものが得られた。

(1)現場磁気テープ(1/2in.2400ft., SEGYフォーマット)  14巻

(2)同上データシート(Observers Report)   1式

(3)現場モニター記録      1式

(4)発震点・受振点座標/標高値   1式

上記(2)のデータシートは、付図2−1付図2−2−1−1付図2−2−1−2付図2−2−2付図2−2−3−1付図2−2−3−2付図2−2−4−1付図2−2−4−2付図2−2−5付図2−2−6付図2−2−7付図2−2−8付図2−3付図2−4−1付図2−4−2付図2−4−3付図2−4−4付図2−4−5付図2−4−6付図2−4−7付図2−4−8に添付した。また(4)の座標/標高値は、付図3−1,付図3−2,付図3−3,付図3−4,付図3−5,付図3−6に添付した。