(7)既存資料との対比

図2−78は「船橋市地域の地下地質と地盤沈下観測井」(楡井他、1972)と平成11年度SPAC法によって推定された地下構造の対比結果である。上部から、沖積層および下総層群がVS=0.37km/sec〜0.57km/sec、上総層群がVS=0.73km/sec〜1.07km/sec、第5層のVS=1.10km/secの速度層が中新統(三浦層群)に対応すると考えられる。

深度について着目すると、「船橋市地域の地下地質と地盤沈下観測井」では中新統上面の深度が1,920m、これに対応すると考えられるSPAC法で求められた第5層の上部の深度は1,940mである。また、先新第三紀基盤は第6層の推定値VS=3.36km/secの速度層に相当すると考えられるが、その深度は文献資料では、2,139mであり、SPAC法で求めた深度は2,290mである。

平成11年度に行った追加観測の結果は昨年度の結果と比べ、最下層のS波速度の値が約0.4km/sec速くなり、第2層の上面深度(第1層の下面深度)が約200mほど浅くなり、これに伴い第3層および第4層の上面深度(第2層および第3層の下面深度)も約200mほど浅くなった。第5層の上面深度(第4層の下面深度)は約100m浅く求まった。

微動アレー調査で得られた結果を、観測アレー7箇所の地震計の中心点と位置付け、試錐孔との位置関係についてみると、試錐孔は微動の観測点から東におよそ2km離れた位置にある。本年度の基盤深度の結果は、試錐資料と比べると約150m深い値で求まった。