(1)観測された位相速度

本地点での追加観測は、表2−7−1に示したように1999年12月23日に実施した。最大アレー半径は3,000mと昨年度よりも1,000m広いアレーサイズで実施した。

図2−64に得られた地震計設置点毎の観測波形の一例を示す。

図2−65は観測記録のパワ−スペクトルの一例である。スペクトルパタ−ンは観測中にほとんど変わらず、時空間定常性を確認することができた。全観測波形およびパワ−スペクトルは別冊に付した。

図2−66は各地震計間の距離毎による空間自己相関関数(図中の上段)と空間自己相関係数(図中の下段)の一例である。本地点で得られた空間自己相関係数もNo.25(SMU);下総地殻活動観測井と同様に概ね滑らかなベッセル関数型の変化を示した。

図2−67は各周波数毎の最小二乗法によるベッセル関数のフィッティング例である。全空間自己相関係数およびベッセル関数のフィッティングは別冊に付した。

本年度の解析ではNo.25(SMU)の結果で前述したようにESPAC法とSPAC法の2通りの方法を採用し位相速度曲線を求めた。

図2−68にESPAC法で求めた位相速度曲線を示す。この結果、解析ブロック長が大きくなると低周波数領域(長周期側)で位相速度が増大する傾向が見られ、これはNo.25(SMU)地点の結果と同じ傾向が認められた。

図2−69にSPAC法で求めた位相速度曲線を示す。これは各アレーサイズ毎の分散曲線を年度別に色分けしたものである。図中の上段204.8秒と下段409.6秒の結果とも周波数(周期)0.2〜0.3Hz(3.3〜5秒)の範囲において、昨年度の分散曲線に本年度の分散曲線が重なるような結果が得られた。また、0.2Hz(5秒)よりも低周波数領域(長周期側)では特に409.6秒の分散曲線がばらつく傾向が認められた。解析ブロック長が大きくなると低周波数領域(長周期側)で位相速度が増大する傾向は、ESPAC法で解析した結果と同じであった。

図2−70には図2−69で求めた分散曲線を統合したSPAC法の統合位相速度曲線を示す。昨年度の観測および本年度の追加観測で得られた位相速度の周波数(周期)の範囲は、解析ブロック長204.8秒で0.15Hz(6.7秒)から2.2Hz(0.45秒)までであり、409.6秒で0.13Hz(7.7秒)から2.2Hz(0.45秒)までであった。