(3)初期地下構造モデル

上記のデータを用いて、東海層群、中新統、D層、および基盤岩類上面深度のコンター図を作成し、これを初期地下構造モデルとした。図3−3−2に各地層上面深度のコンター図を、図3−3−3−1図3−3−3−2図3−3−3−3図3−3−3−4図3−3−3−5図3−3−3−6に、地質断面図を示す。

地形・地質概要で述べたように、岡崎平野〜伊勢湾には東海層群および中新統が分布しており、D層は分布していない。豊橋平野には東海層群と中新統は分布していないが、D層が分布している。このように地質分布に地域性があるが、岡崎平野と豊橋平野をつないだモデルとするため、すべての地層が全域に分布するものとして、コンター図を作成した。その地域に分布していない地層は、層厚0のデータが入っている。

各コンター図の特徴は次のとおりである。

1) 東海層群上面

岡崎平野では、大高−高浜断層の東側に沿って、東海層群上面が深くなっている。伊勢湾では伊勢湾断層および内海断層の南西側で東海層群の上面が深い。

豊橋平野では、渥美半島に分布する第四系(渥美層群)が北側にのび、豊橋平野下の第四系と繋がっている。

2) 中新統上面

知多半島南端部には中新統が露出しており、その北側で中新統の上面深度が深くなっている。コンターは北北西−南南東方向の谷と尾根が推定され、全体として岡崎平野東縁から西に向かって深くなる。

豊橋平野には東海層群は分布していないので、東海層群上面と中新統上面は同じコンターになる。

3) D層上面

岡崎平野〜伊勢湾ではD層は分布していないので、基盤岩類上面と同じコンターである。豊橋平野には東海層群および中新統は分布していないので、東海層群上面、中新統上面、およびD層上面は同じコンターである。

4) 基盤岩類上面

知多半島南部から知多湾にかけて、基盤岩類の上面深度が深くなっている。深さは最大約2,000mである。大高−高浜断層と加木屋−成岩断層に挟まれた地域がコンターの尾根になっている。伊勢湾断層の東側にもコンターの尾根が認められる。全体としてコンターの尾根と谷は北北西−南南東方向にのびている。

豊橋平野ではD層の分布地域で、基盤岩類上面の深度が約1,500mと深い。