(1)岡崎平野

岡崎平野の初期モデルの検討に使用したデータを図3−3−3−1図3−3−3−2図3−3−3−3に示す。

1) 東海層群上面

反射法地震探査およびボーリングデータによると、岡崎平野南部を北西−南東方向に横断する大高−高浜断層を境として、北東側と南西側で東海層群上面(第四系基底面)の深さが異なるようにみえる。断層の南西側で第四系の深さが40〜50mであるのに対して、北側は90〜100mである。さらに、北緯35゜、東経137゜付近が最も深く135〜165m(ボーリングNo.146、147、148)である。三河湾に面した地域でも、第四系の厚さは100m以下であり、南側(海側)よりも北側(山側)で第四系が厚い。大高−高浜断層および猿投山断層の活動により、北緯35゜、東経137゜付近にテクトニックな沈降域が形成されている可能性が高い。なお、ボーリングNo.150(上記沈降域の南東)では、第四系の厚さは35mであり、凸部になっている。

2) 中新統上面

知多半島南端部には中新統が露出している。ボーリングデータは少ないが、反射法地震探査によると、中新統上面の深度は南東から北西に向かって深くなっている。

3) 基盤岩類上面

反射法地震探査およびボーリングデータによると、基盤岩類上面の深度は、中新統上面と同様に、南東側から北西側に向かって深くなる。岡崎平野中部で300〜500m、知多半島中部で700〜800mである。しかし、岡崎平野のボーリングNo.262は722mと深い。これは残差重力異常分布が南東方向にのびる谷をなす位置と一致する(図3−1−3)。

知多半島南端部では、深層ボーリングにより基盤岩類の上面深度が把握されており、その深さは900〜1,100mである。半島南東端部ではさらに深く、1,630m以上である(ボーリングNo.33)。