2−2  地下構造モデルの作成法

初期地下構造モデルの作成方法は次のとおりである。図2−1−1に地下構造モデルの作成の流れを、図2−1−2に地下構造モデル検証の流れを示す。

@:反射法地震探査および深層ボーリングデータに基づいて、地層を区分し、各地層上面深度のコンターを作成した。屈折法地震探査は地震基盤より深い構造の探査を目的としており、表層地盤の精度が劣るので、データとして使用しなかった。微動アレイ探査については、反射法地震探査測線近傍で、基盤深度等が概略把握されている地点で再解析を行った。再解析の際には、各速度層の深度を固定し、S波速度を決定するようにした。詳細については、2−3−4で報告する。

A:上記のデータだけでは、地質構造に整合したモデルとはならない。東西および南北方向の地質断面図を作成し、地質学的知見に基づき、データ間を補完した。データの補完では、残差重力異常分布を参考にした。

B:反射法地震探査、深層ボーリング、および補完データから、各地層上面深度のコンターを作成した。また、速度検層・屈折法地震探査データおよび微動アレイ探査再解析結果から、各地層の物性値を設定した。

C:上記のモデルを初期モデルとして、観測・理論H/Vスペクトルとの比較を行い、モデルの修正を行った。地下構造モデルの妥当性を検討するために、差分法により中小地震のシミュレーションを行った。