1−2 調査の目的

1995年に発生した阪神淡路大震災においては、活断層の動きによってもたらされた地震動によって、「震災の帯」と呼ばれる特定の場所で被害が集中した。これには、基盤岩上の堆積層の地震波速度ならびに基盤岩の深さ、形状が大きく影響していると考えられている。自動車工場をはじめとする愛知県の主要な産業機能が集中する岡崎平野は、その西縁を知多半島の丘陵地によって区切られ、基盤岩の形状が変化し、西に向かって堆積層が厚くなる盆地構造をなしていると考えられ、一方愛知県第2の都市である豊橋市が位置する豊橋平野においても中心部において基盤岩がすり鉢状に窪んだ形状と考えられており、ともに地震動の増幅が懸念される。

本業務は、三河地域の堆積平野の詳細な地震動の予測を可能にし、地震の被害想定、建築物の耐震設計・耐震調査などの地震防災計画に活用するために、当該地域における基盤岩上の堆積層の地震波速度ならびに、基盤岩の深さ、形状および地震波速度など三次元的な地下構造を把握し、地盤の揺れを明らかにする基礎資料を得ることを目的とする。