3−3 他調査における基盤構造の推定方法について

堆積平野の地下構造調査はまだその歴史が浅く、これまでに調査手法に関する議論はされてきている(愛知県、2001)ものの、基盤構造の推定手法については、各平野毎に資料の質・量などが異なるため、いまだ確定されていないのが現状である。愛知県では、これまでに、濃尾平野の地下構造調査が実施され、基盤を含めた堆積層の三次元構造が推定されている。また、三重県では、伊勢平野に関する地下構造調査を実施している。将来的に、東海地震・東南海地震などを対象とした地震動シミュレーションによる被害予測を考えた場合には、これら異なる調査で作成された地下構造モデルを統合する必要がある。表3−2−1に重力データの取り扱いを中心に各平野における地下構造モデル(基盤上面深度)の推定方法についてまとめた。ただし、伊勢平野においては、平成14年度までに平野内で基盤までを対象とする反射法が実施されていないため、推定された基盤構造は暫定的なものである。