3−1−6 岡崎平野における堆積層中の三次元速度モデルの作成について

図3−1−21には、反射法における比較的大きな速度境界であるD層(Vs=1.0km/sec前後)の上面深度およびこれに対応すると考えられる微動アレイ解析結果による第3層(Vs=860〜1190m/sec)上面深度(反射法と同様に大きな速度境界になっている)を同一面と考え、また、この面は、各坑井における中新統(師崎層群)上面深度付近に相当するとして、この面の深度コンターを作成した。ただし、平成14年度の解釈結果からは、測線の東側の温泉ボーリングなどで中新統が得られていないため、D層上面を東海層群(下部)中の反射面としているが、反射面の様子、区間速度などから、平成14年度測線で得られたD層と本年度測線で得られたD層は、速度境界としては、同一の物であると判断した。図3−1−22には、B層上面の深度コンターを示した。これには、反射法から得られたB層上面深度および各坑井での東海層群上面深度を用いた。微動アレイの解析結果については東海層群上面深度が明確でないため用いていない。岡崎平野においては、反射法測線が2断面得られているが、坑井情報、微動アレイデータともに分布が限られている。特に、知多半島および岡崎平野南部における情報が不充分である。このため、現有のデータからでは、広域の堆積層の詳細なP波およびS波速度構造を推定するには至っていない。