(3)検討課題

これまで述べてきた様に、本調査においては、反射法測線全域において基盤構造を推定するには至っていない。本調査における各調査手法における問題点を以下に示した。

◎反射法地震探査:

・ 調査対象深度を数百mと比較的浅く想定したため、1000m程度の深部を議論するには震源のエネルギー(震源の台数、出力、重合数など)、受振器展開長が不足していた。

◎屈折法地震探査:

・ 反射法と同様に震源のエネルギー、受振器展開長が不足していたため、深部からの屈折波のデータ量が少ない。そのため、深部の速度構造の信頼度が低い。

◎微動アレイ探査:

・ Lアレイの半径(R=600,1200m)に比べて基盤深度が深い場合、低周波域の測定精度に問題があった可能性がある。

・ アレイが基盤の急傾斜地点にあり、観測した表面波の多くが基盤の浅い所から伝播してきた場合、表面波には浅い基盤の特性が多く残っている可能性がある。

これらの課題を解明し、豊橋平野南部の基盤構造を把握するために、基盤の露出している部分から、低重力部を通り、本年度測線を横切る測線(図3−2−9−6)において対象深度1000m以上の反射法・屈折法調査が望まれる。