(3)データ解析

取得されたデータに対し、屈折波の強調、屈折初動の読取り、初動走時の仮想測線への投影を行い、反射法で得られた速度構造モデルを基にレイトレーシングによって基盤までの速度構造を推定した。

(3−1) モデルT

測線南側の屈折法ショットではVP4の測線北側Far Offsetにのみ見かけ速度5.0km/sを超える基盤からの屈折波と考えられる初動が確認できる。また、測線北側の屈折法ショットVP504の測線南側Far Offsetに見かけ速度3.8km/s前後の基盤からの屈折波と考えられる初動が確認できる。このことから基盤の構造が測線北側から測線南側に傾斜して深くなっていることが考えられ、得られた初動走時をレイトレーシングで良く説明できるようなモデルを推定した。詳細は付録6にまとめた。図2−2−5および図2−2−6に投影後の走時曲線および得られた速度構造モデルTを示した。

(3−2) モデルU

測線南側の屈折法ショットでは、見かけ速度3.3km/s前後の屈折波を確認できるが、見かけ速度5.0km/s前後の屈折波はVP4の測線北側Far Offsetにのみ確認できる。一方、測線北側の屈折法ショットでは、見かけ速度5.0km/s前後の屈折波を多くのショットで確認することができる。このことから基盤の速度構造が測線南側と北側で大きく異なる可能性も考えられる。初動走時をレイトレーシングで上手く説明でき、且つ、基盤の速度が測線の南側と北側で大きく異なるモデルを推定した。詳細は付録6にまとめた。得られた速度構造モデルUを図2−2−7に示した。