5−1−2 フィルタ処理

ブーゲー異常図には、地下のあらゆる深度の密度分布に関する情報が重なり合って表されている。これらの情報の中から、目的とする情報のみを抽出するために、フィルタ処理を行う。フィルタ処理では、深い所から浅い所の構造による重力異常を含んでいるものに対して、周波数の違いに着目して、深部構造による広域的トレンドと浅部構造によるローカルな異常を分離し、目的とする構造に起因する重力異常を抽出する。

今回は、地下深部の構造に起因する長波長の重力異常(傾向面あるいは重力トレンドという)を抽出・分離するために上方接続フィルタを用い(駒澤, 1984; 駒澤・長谷川, 1988)、接続距離を3kmとした。図5−1に示したブーゲー異常に対する上方接続図を図5−2に、ブーゲー異常Δg から上方接続値 gup(3km)を除去した残差重力値

式5−1−2

図5−3に示す。

図5−4には、仮定密度2.3g/cmと2.0g/cmについてのブーゲー異常値および残差重力値の差を示す。地表標高200m以下では、仮定密度の違いによるブーゲー異常値の差は−4〜0mGal程度、残差重力値の差は−2〜+2mGal程度である。したがって、今回対象としている平野部においては、仮定密度による影響はそれ程大きくないものと考えられる。中部地方の陸域においては、従来から仮定密度を2.3g/cmとしたブーゲー異常データを扱った例が多いことから、以後の解析は仮定密度2.3g/cmのデータについて行うことにする。