(1)解析方法

得られた観測分散曲線から、逆解析により調査地点のS波速度構造を推定した。逆解析とは、速度構造モデルを作成して理論分散曲線を計算し、それが観測分散曲線に合うようにモデルを繰り返し修正し、観測分散曲線と理論分散曲線との差が許容誤差範囲内に収まったときのモデルを、調査地点のS波速度構造とする推定法である。

速度構造モデルの作成には、遺伝的アルゴリズム(GA)を用いた。GAは選択・交差・突然変異等、生物の遺伝的操作を取り入れてモデルの改良を行っていくもので、微動アレー探査の逆解析では一般的に用いられている手法である。逆解析の流れを図4−4−6に示す。

図4−4−6  S波速度構造推定の流れ