1−8 調査結果の概要

三河地域堆積平野を中心に、以下の項目に関する既存資料を収集・整理した。

・地質資料

・深部ボーリング資料

・重力データ

・爆破地震資料

・強震動観測記録

また、三河地域堆積平野内の12地点で微動アレー探査を実施し、S波速度構造を得た。このうちの1地点では、近くのKik−Net観測地点の柱状図・検層データと対比を行い、ボーリングデータとほぼ等しい結果が得られていることが確認された。

これらのデータをまとめて総合的に解析し、三河地域堆積平野の地震基盤深度までの速度構造についてまとめ、3次元地下構造モデルを作成した。さらに、作成したモデルに対して、収集した強震記録を用いて検証を行った。

これらにより、以下に示す結果を得た。

【微動アレー探査】

(1) 岡崎平野(西三河平野)では、東北から南西方向に向けて、東海層群相当層が厚くなり地震基盤深度が深くなる傾向が見られる。

(2) 調査地点で最も西に位置する東浦町のO−7地点では、東海層群を代表とする新第三紀層が約680mの厚さに達する。

(3) 豊橋平野(東三河平野)では、調査を実施した4地点に限れば、地震基盤深度は200m前後の深さで大きな変化は見られない。

(4) 地震基盤のS波速度は、岡崎平野(西三河平野)で3.0〜3.3 km/s ,豊橋平野(東三河平野)で3.2〜3.6 km/sという値を得た。

【総合解析】

(1) 重力異常データの解析により、地震基盤形状に整合する3次元重力基盤形状を求めた。また、既存の深層ボーリング、今回実施した微動アレー探査の結果をデータとして、中間層の層境界面形状を2次元補間により推定し、3次元地下成層構造モデルを作成した。

(2) 岡崎平野(西三河平野)における最大基盤深度は0.8km程度で、概して西部で深く、東方向に浅くなる傾向にある。豊橋平野(東三河平野)における基盤深度は、最大でも0.5km程度と浅い。