3−1−3 屈折法地震探査による深部構造

濃尾平野を中心とした広域の基盤速度構造は、中京圏基盤構造研究グループによる鍋田および田原における人工爆破によって濃尾平野を中心とした広域の地下深部構造が得られている(中京圏基盤構造研究グループ, 1980、中京圏基盤構造研究グループ, 1981)。 解析の結果得られた速度構造は、第四紀と第三紀層上部に相当する速度1.6km/s〜2.5km/sの第1層、第三紀層下部(中新統)に相当する速度3km/sの第2層、中古生層や花崗岩による速度5km以上の基盤から構成されており、大局的な構造形態は他の地質学的資料や重力異常等のデータから推定される構造とも矛盾しない。この結果によると、鍋田−東組測線における基盤深度は鍋田地点で1800m程度であり、全体としては北に上がっており、鍋田から北に8〜12kmの地域で急激に上がり、その後緩やかに上昇している。基盤岩は岐阜県金華山で地表に露出する。