(2)観測作業

(2−1)観測要素点の位置出し

現地での観測要素点の位置出しは、縮尺1/2,500の都市地図を利用して、設計した観測要素点位置を中心として、各アレイにおける等価半径の5%の位置許容誤差円の範囲内で、できるだけ良好な微動の観測ができる場所を選定して行った。

観測要素点の地震計設置場所は、Sアレイについては学校のグラウンド等(アレイが収まる平坦な敷地)を利用し、その他のアレイについては民有地(民家の玄関先、駐車場、畑、田)や歩道上とした。付録7−1に測定中の写真を、表2−5−3に最終的に使用したアレイ諸元を示す。

(2−2)観測仕様

微動アレイ探査では複数の地震計による同時観測を行うため、観測に使用する機器の特性が良く揃っていることに留意しつつ、解析に十分なデータ量(時間長)を確保することが必要である。表2−5−4に実施した観測仕様を示す。

(2−3)使用機器

微動観測に使用した観測機器の仕様を表2−5−5に示す。

(2−4)観測手順及び工程

観測は、平成12年9月5日〜10月1日及びNP12地点の再測定として平成13年1月13〜14日の間において、夜19:00〜翌朝5:00の時間帯で行った。NP12地点は、平成12年9月18日から19日に測定を行なったが、観測した微動データの低周波数域のエネルギーが小さく精度の良い位相速度が求められなかったため、比較的低周波数域の微動エネルギーが大きいと言われている冬季(平成13年1月)に再測定を実施した。また、毎日の観測機器設置前に、ハドルテストを実施し、7台の観測機器の特性が揃っていることを確認した。表2−5−6に観測工程表を示す。

観測機器の設置において、7箇所の観測要素点に設置する地震計は同一の方位(北方向)に合わせ、水平を調整した。地震計は十分に地面と設置するよう注意して設置し、地表が柔らかい場合には鉄製のスペーサーを使用した。

観測スケジュールは、予めパソコンにより各記録器に設定しておき自動観測とした。観測は7台の観測機器が同時に動作するように設定し、61分毎の観測前後にGPSによる時間校正を行い、観測開始時刻と観測終了時刻の確認を行った。