(1)観測計画

(1−1)アレイ形状

観測に用いたアレイ形状は、図2−5−3に示す2重同心正三角形を基本とし、観測要素点が地震計設置に不都合が生じた場合には回転2重同心正三角形とした。

(1−2)アレイサイズ

アレイサイズの設計は、馮・他(1999)を参考に以下の手順で行なった。

@地下構造モデルの想定

既存資料から浅基盤、中深基盤、深基盤の3つの地下構造モデルを作成し、それぞれのモデルに対する理論位相速度を求めた。(表2−5−1図2−5−4

Aモデルについての感度解析

モデルの感度解析結果を図2−5−5図2−5−6図2−5−7に示す。感度解析によるS波速度構造解析に必要な周波数範囲は以下のとおりである。

深基盤構造モデル :0.2Hz〜4.5Hz

中深基盤構造モデル:0.3Hz〜4.5Hz

浅基盤構造モデル :0.4Hz〜4.5Hz

従って、全地点では0.2Hz(5秒)〜4.5Hz程度となり、この周波数範囲の位相速度が求められれば良いと考えられる。

Bアレイサイズの決定

上の周波数範囲をカバーし、且つそれぞれのアレイで求まる周波数範囲が互いに適度に重複させるには3つのアレイが必要である。Lアレイ、Mアレイ、Sアレイの3つのアレイ半径を設計し、それぞれのアレイで求まる周波数範囲が互いに適度に重複していること及び必要な周波数範囲をカバーしていることを確認して、最終アレイサイズとした。最終的に決定したアレイサイズは表2−5−2のとおりである。また、設計したアレイの求まる周波数範囲を図2−5−8に示した。