5−4−1 PS検層

ダイポール型S波発震機構を持つLFDL(Low Frequency Dipole Logging)によりP波速度(Vp)、S波速度(Vs)を測定した。なお、同じ敷地内に設けた別孔により、30m以浅のPS波速度測定を行った。以下に測定結果について述べる。

@ 深度50m以浅においては、ごく表層を除いて、Vp=1500〜1700m/s、Vs=200〜300m/sを示す。

A 深度50m〜200m付近においては、全体的には、Vp=2400〜2600m/s、Vs=700〜800m/sを示すが、深度65m、90m付近では、Vp=1700〜1800m/s、Vs=400m/s程度の低速度を示す。それぞれ、礫主体層、粘性土主体層に対応するものと考えられる。

B 深度200m付近〜661mの東海層群主体層においては、全体的に速度変化は小さく、Vp=2000〜2500m/s、Vs=800〜900m/s程度を示す。

C 深度661m以深の基盤岩においては、速度変化が激しく、Vp=4000〜6000m/s、Vs=2000〜3500m/sを示す。このうち新鮮部(砂岩)の速度はVp=5500〜6000m/s、Vs=3000〜3500m/s程度と考えられる。深度680m付近、690m付近では、顕著な速度低下が認められ、劣化帯等の存在が示唆される。