5−2−1 コア・カッティング観察

観測井掘削に伴うカッティングスおよび採取したコアの観察を行い、ボーリング柱状図としてまとめ、巻末に示した。また、採取したコア写真およびカッティングス観察のデータシートを巻末に示した。

採取したカッティングスは想定される地質境界(図5−3−1参照)を中心に礫種のモード分析を行った。図5−2−1にモード分析結果を示す。

以下に、地質別に考察する。

(ア) チャートの含有率は、地表〜深度200m付近では深度に伴い増加する傾向を示すが、深度200mを境に減少傾向に転ずる。

(イ) 花崗岩の含有率は、深度200m付近までは20%以下であるが、深度200m付近〜400m付近までは10〜30%と増加している。また、深度400m以深では10〜15%と減少している。

(ウ) 濃飛流紋岩の含有率は、深度とともに減少する傾向が顕著であるが、特に、深度200m付近、400m付近に急激に減少する傾向がみられる。

(エ) 泥質岩

泥質岩の含有率は、深度200〜400m間で減少する傾向が認められる。

(オ) 石英閃緑岩

石英閃緑岩の含有率は、深度400m以深に限られ、深度に伴い減少する傾向を示す。

(カ) 石英

石英の含有率は、深度とともに増加する傾向を示す。

(キ) 砂岩

砂岩の含有率は、深度400mまでは5〜10%以下であるが、深度400mを境に20〜30%に増加する。

(ク) 変輝緑岩

全体に含有率がきわめて少なく、深度600m付近で見られたのみである。

以上のことから、深度200m,400mは、カッティングス中の礫種の含有率に明瞭な変化が認められ、着目に値する。

図5−2−1 モード分析結果