4−3−2 密度検層

密度検層は人工ガンマ線を用いた放射能検層のひとつで、ガンマ線の散乱強度が物質の密度と関係があることを利用してボーリング孔沿いの密度を測定するものである。

0.1〜5.0MeV程度のエネルギーを持ったガンマ線が物質内を透過する場合、コンプトン散乱という相互作用によってエネルギーを失っていく。このコンプトン散乱の効果は、密度だけに依存し元素の種類によらないため、この領域のエネルギーをもったガンマ線の強度を測定することにより、物質の密度を測定することができる。

測定系は、孔内に挿入するゾンデ、ゾンデを昇降させるためのウィンチおよびケーブル、アームの開閉や測定値の記録・表示を行う地上装置から構成される。

なお、今回は高精度密度検層器を使用する。高精度密度検層器は、ガンマ線検出器を複数組み込んだゾンデにより、従来の密度検層器に比べて、孔壁の凹凸やガンマ線源の強さの系時変化の影響の小さな、S/Nのよい測定ができるように工夫されている。

図4−3−3に測定模式図を、表4−3−2に使用機器仕様一覧を示す。

測定は、ゾンデにガンマ線源をセットして孔底まで挿入し、アームを開いて検出器を孔壁に密着させて、ゾンデを引き上げながら連続的に行う。

密度検層によって求められた地層の密度値は、弾性波速度と併用して地盤の弾性係数を算出したり、孔隙率を算出することに用いられる。

表4−3−2 密度検層使用機器一覧

図4−3−3 密度検層測定模式図