(1)テフラ分析

作業手順を、図4−2−1に示す。

まず、試料中の泥分除去と砂粒の洗浄を、流水下で標準篩(0.063mm)による洗い出しと、超音波洗浄器を用いて行う。砂分試料を乾燥させた後、>125μmおよび125〜63μmのサイズで篩分けを行う。

125〜63μmのフラクションについて、砂粒組成の同定を偏光顕微鏡下において落射光を照射して行い、100粒以上を計数する。砂粒組成の同定中に認められた火山ガラスについては、火山ガラスの形態分類に一般によく用いられている吉川(1976)に従い、Ha、Hb、Ca、Cb、TaおよびTbの6種類の形態分類を行う。火山ガラスの屈折率は、温度変化型屈折率測定装置・MAIOT(古沢地質調査事務所製造)を使用し、30片以上を目安として測定する。測定手順は、古澤(1995)に従う。

次に、同じ125〜63μmのフラクションについて、比重2.9に調整されたポリタングステート液を用い、重液分離を行い、得られた重鉱物を偏光顕微鏡下において同定・計数する。重液分離の方法は、佐藤・鈴木(1991)に従う。重鉱物の同定は、プレパラートを作製して行い、偏光顕微鏡下で200粒を計数する。200粒に満たないものについては、プレパラート上のすべての重鉱物を同定する。

対比に当たっては、第四紀後期の火山灰に関する噴出年代や降灰域、岩石学的特徴がまとめられた町田・新井(1992)、東海層群および海部累層・弥富層の火山灰の記載がなされている古澤(1990)や吉川ほか(1991)などを参照する。

図4−2−1 テフラ分析手順