(7)香川県に被害を及ぼす地震及び地震活動の特徴

香川県に被害を及ぼす地震は、主に南海トラフ沿いの巨大地震と陸域の浅い地震である。なお、香川県とその周辺で発生した主な被害地震は、図8−35のとおりである。

 香川県では、南海トラフ沿いの巨大地震のなかで、四国沖から紀伊半島沖が震源域になった場合、地震動や津波による被害を受けることがある。例えば、1707年の宝永地震(M8.4)や1854年の安政南海地震(M8.4)では死者や家屋全壊などの被害が生じた。1946年の南海地震(M8.0)でも、死者52名、多数の家屋全壊や家屋浸水などの被害{39}が生じた(詳細は8−1(1)及び8−2(1)参照)。

 香川県南部には讃岐山脈が東西に伸び、丘陵、台地を経て、県北部には讃岐平野が広がる。県内の主な活断層をみると、讃岐山脈の北麓に沿って長尾断層帯が分布している(図8−36)。長尾断層帯は、断層線の南側が持ち上がる縦ずれ断層であり、その活動度はB級とされている。その他、長さが短いいくつかの活断層が知られている。

 香川県内で発生した陸域の浅い被害地震で確実なものは知られていない。また、前述の活断層で発生した被害地震は知られていない。なお、1995年の兵庫県南部地震(M7.2)などのように周辺地域で発生した地震によっても被害を受けることがある。さらに、隣接する徳島県北部には、ほぼ東西に走る中央構造線断層帯がある。ここでの活動に明確に対応する被害地震の記録はないが、中央構造線は全国でも活動度の最も高い活断層の一つである。中央構造線断層帯のうち父尾断層については、活断層調査から最新の活動時期は16世紀後半と考えられ、慶長伏見地震と呼ばれる1596年の地震(M7 1/2)の際に活動したという指摘がある{40}

 香川県付近における小さな地震を含めた最近の地震活動を図8−37に示す。

表8−7 香川県に被害を及ぼした主な地震