(3)北丹後地震(1927年3月7日、M7.3)

北丹後地震は、京都府北西部の丹後半島付近の陸域から沿岸海域までを震源域として発生した浅い地震で、広範囲で強い地震動が生じ、震源域から100km前後離れた京都市や奈良市でも震度5が観測された。被害状況から、震源域付近では震度6相当の揺れがあったと推定される(図7−20)。この地震による被害は、京都府北西部の丹後半島の付け根のあたりが最も激しく、近畿・北陸・中国・四国の広範囲に及び、全体で死者2,925名などの被害{20}が生じた(図7−21)。

北丹後地震に伴って、郷村断層とそれに直交する山田断層で地表にずれが生じた(図7−22)。郷村断層では、断層の西側が東側に対し、最大80cm隆起し、南の方へ最大2.7mずれた{21}。山田断層では、断層の北側が南側に対し、最大70cm隆起し、東の方へ最大80cmずれた{22}。また、繰り返し測量により、地震に伴って、郷村断層を境に丹後半島側が北西に動き、反対側が南東に動くような地殻変動が観測された(図7−23)。これらのことは、この地震がほぼ東西方向に圧縮されるような力を受けて発生したことを示しており、現在知られているこの付近の地殻変動とも調和している。

 また、活断層調査によると、北丹後地震が発生した郷村断層や山田断層の活動間隔は数千年程度{23}と推定されている。

 北丹後地震では、余震調査のために臨時観測が行われ、3次元的な余震の分布が初めて得られた{24}。最大の余震は、本震約一ヶ月後の4月1日に発生したM6.5であった。余震回数を見ると、3月末から4月初めにかけて一時増加したものの、その後は減少した(図7−24)。また、余震が海域にも分布していることや本震によって津波も発生したことから、本震の震源域も海域に延びていたと推定された。このように、陸域の浅い地震でも、海岸近くで発生した場合には、津波が発生することがある。