(4)社会状況の変化と地震被害

都市化、宅地化などの進展、すなわち社会の状況の変化とともに、災害の様相も変化することがある。例えば、宮城県の太平洋側沖合で発生した1936年(M7.5)と1978年(M7.4:宮城県沖地震)の地震は、その震源、規模がほぼ同じであった。しかし、災害の規模と様相は大きく異なっている。1936年の地震による被害は、宮城県で負傷者4名、住家半壊2、非住家全壊3、道路の亀裂{26}などであった。一方、1978年の地震では、全体で死者28名、負傷者1,325名、住家全壊1,183などの大きな被害{27}が生じた。特に、新たに住宅を造成したところでの被害が目立ったほか、日常生活に不可欠なガス、水道、電気等のライフラインが被害を受け、仙台市等において、市民生活に大きな支障をきたした(詳細は4−2(3)参照)。このような被害の大きな差は、都市化や宅地化の進展などにより生じたと考えられる。