7−4 国府津−松田断層の活動間隔

最新活動時期のAD1100〜AD1350年頃と1つ前の活動時期のBC800〜AD130年との差から、活動間隔は970〜2150年と計算される。さらに、1つ前の活動時期を調査し、活動間隔の精度を向上する必要がある。

曽我原トレンチにおける断層の鉛直単位変位量は約1.6mの可能性が高い。国府津−松田断層の鉛直平均変位速度は海成沼面の変位量と箱根東京軽石流堆積物(Hk−Tpfl)の変位量から約3mm/yとなる(松島,1982;山崎・水野,1999)。平均活動間隔を970〜2150年とすれば、国府津−松田断層全体の鉛直単位変位量は約3.0〜6.5mとなる。これは曽我原トレンチで求められた単位変位量の約2〜4倍の値になる。広域の緩やかな変形は検討していないが、曽我原の鉛直変位量だけでは海成層の分布高度を説明できない可能性がある。その場合には、山麓の断層などが同時に活動したことを想定する必要がある。