3−6 平山断層

山崎稲雄(1971)、伊藤ほか(1982)などは山北町の酒匂川沿いにおいて、足柄層群と段丘礫層が接する逆断層(走向・傾斜はNNE−SSW・60S)露頭を報告している。天野ほか(1984)は南足柄市の内川沿いにおいて、箱根古期外輪山の火砕岩と足柄層群が接する断層露頭を報告している。狩野ほか(1984)は平山断層を山北町平山から夕日の滝付近までの約8kmの長さをもつ左横ずれ、北西側隆起の逆断層としている。宮内ほか(1996b)の都市圏活断層図「秦野」では推定活断層を含めて長さ3.5kmで図示している。

Ito et al.(1987)は酒匂川沿いの断層露頭調査を行い、変位量と断層活動時期についてテフラ層序を用いて、21500年前以降に5回の断層活動を認めている。変位量は時代が新しくなるにつれて減少する傾向があり、断層活動の休止期間は時代が新しくなるにつれて長くなる傾向があるとしている。さらに、平山断層の最新活動時期は御殿場泥流堆積以前の2740〜2670y.B.Pとしている。