3−3 松田山山麓断層および松田北断層

足柄平野の北を限る松田山付近では、活断層研究会(1980)は国府津−松田断層の連続として、松田町市街地に接する国道246号にほぼ沿う位置に確実度Tの活断層を図示した。その西端は山北町向原まで連続する。

山崎・町田(1981)は松田山山麓断層と松田北断層を報告している。それによれば、松田山南麓の標高150〜250mの台地を構成する地層を松田礫層と呼び、その中に箱根東京軽石流や御岳第1テフラ(On−Pm1:約10万年前;小池・町田編,2001)が挟まれることを報告した。さらに松田山礫層の堆積環境と構造から、両断層は約13万年前から活動を始めたが、松田山山麓断層は約3万年前に活動を停止し、現在は足柄平野側の松田北断層だけが活動しているとしている。活断層研究会(1991)は山崎・町田(1981)をうけて松田北断層を確実度T、松田山山麓断層を確実度Uとして図示した。山崎(1994)は「開成町町史」のなかで松田山山麓断層と松田北断層に関する地形発達史を説明している。

宮内ほか(1996b)は1/2.5万の都市圏活断層図「秦野」の中で松田北断層の位置に国府津−松田断層の延長を図示し、松田町の延命寺付近などに断層崖を示している。また、松田山山麓断層は推定活断層としている。