3−2−1 地震の発生状況

表3−1−1表3−1−2に1992年(平成4年)以降、横浜市で震度2以上を記録した地震を、図3−1にこれらの地震の震央分布を示す。これらの地震データは、気象庁が発行している「気象月報」より収集、整理した。また、表3−2に150強震計観測点が設置されて以後観測された地震を示す。 表3−1−1表3−1−2表3−2及び図3−1から、地震の発生頻度、震度、マグニチュード、震源位置についてまとめると、以下のことが分かる。

・発生頻度:1992年1月〜1998年1月(73ヶ月)の間に震度2以上の地震が87個記録されている。従って、平均すると月一回程度観測されていることになる。表3−2に示す最近9ヶ月間でも9個の地震が観測されている。

・震度:震度2の地震が62個、震度3の地震が21個、震度4の地震が4個記録されており、震度2の地震が全体の70%を占めている。そのうち、150ヶ所のほぼ全部の強震計で観測される地震はやはり震度3以上であり、震度2の地震だと今回の三宅島近海地震の記録のように、トリガーレベルの低い(つまり、ノイズの少ない)観測点に限られる(50ヶ所前後)。

・マグニチュード:M<4の地震が3個、4≦M<5の地震が46個、5≦M<6の地震が24個、6≦M<7の地震が8個、7≦M<8の地震が5個、M≧8の地震が1個記録されており、マグニチュード4〜6の地震が全体の80%を占めている。

・震源位置:横浜市を囲むように東西南北各方位に分布している。特に東京都、千葉県、茨城県、伊豆半島沖に数多く分布している。ただし、その大半が震度2以下の地震であるため、トモグラフィ解析に使用可能な大きな地震が各方位に満遍なく観測されるためには、長期間の観測が必要と思われる。