2−3−4 今年度の業務の目的

この業務では、150箇所の高密度強震計ネットワークで得られた実際の地震波形記録をもとに、横浜市の地下深部の地質構造を明らかにすることを目的とした。

150箇所の地震計を用いて3次元のトモグラフィー解析を行うためには、数多くの自然地震の波形が必要となる。現在、震度2以上の有効な記録は1ヶ月〜2ヶ月に1回のペースで収録されている。トモグラフィー解析に必要な地震波形がそろうためには、最低でも10個程度の震度3以上の記録が必要なため、現在のペースで震度3以上の地震が発生するとした場合、最低でも約2年間のデータの蓄積が必要となる。

以上のことから、本年度はトモグラフィー解析を行う前の事前検討として、いくつかの地震のP波およびS波の初動走時を解析し、市域の地震波走時分布を求めるとともに、地下構造モデルを仮定した数値実験も行い、横浜市下の地下構造についての概略の検討を行った。