4−1−2 地形地質概要

調査地域は、山裾部から木屋川にむけ傾斜する扇状地の地形を示している。扇状地上には低崖が2箇所(山裾部及び川側)で認められる(図4−1−1)。

調査地の地質は、基盤は山裾部が広島花崗岩類、木屋川側が豊浦層群(あるいは長門構造帯)からなり、それを覆う形で山裾部は扇状地堆積物、木屋川側は沖積層が分布する。

基盤である広島花崗岩類、豊浦層群(あるいは長門構造帯)は平成8年度の踏査結果から断層破砕帯により境すると考えられる。その位置はボーリングNo.1−1付近と考えられ、川側に低崖が存在するが、堆積物に変位を与えているかどうかは不明である。

また、山裾部ではボーリング調査から基盤(広島花崗岩類)の落差が約6m前後あることが確認され、基盤岩のズレを伴う断層が推定された。これらの基盤を被覆する扇状地堆積物内に厚さ約10cmの姶良Tnテフラ(AT)層の連続を確認している。

トレンチ調査は、姶良Tnテフラ(AT)とその周辺の扇状地堆積物と断層の関係を明らかにすることにより活動時期の把握をすることを目的として実施した。