5−3−4 堆積環境

図5−3−12に柱状図対比表、図5−3−13に泥炭層の分布図を示す。

図5−3−12に示すように、今回確認した地層は4区分できる。最下位の砂礫層は本流からの堆積物により形成されたものと考えられる。それは、堆積物中の礫が安山岩及び頁岩から構成されており、両岸の基盤から供給されたものと思われる。また、亜角礫を主体としており、土石流的な堆積物であると考えられる。

その上位の砂礫層は下位の砂礫層に比べ、礫径が小さく、植物片を含むことから、本線の中心が右岸側に移動し、比較的静かな環境となって堆積したものと考えられる。供給源は本流からと枝沢から供給されたと考えられる。

さらに、泥炭層は、静かな環境となり、本流の後背湿地に堆積したものと考えられ、その時、風化した頁岩礫等は枝沢から供給したものと考えられる。

最後に、泥炭層を削り込み、砂礫層が堆積したと考えられ、この砂礫層には、級化構造等も見られ、急激な堆積であったと考えられる。

泥炭を簡易掘削T−2内とほ場整備に伴い掘削された法面の2カ所で採取した。図5−3−3に試料採取地点を示す。分析は、樺n球科学研究所で実施した。報告書を巻末に示す。

調査結果は、巻末に示すようにそれぞれの地点で11,440±70年、11,710±70年という値を得た。