(3)まとめ

アカマツやクロマツなどのマツ属とヒメバラモミと推定されるトウヒ属の混交する古植生が推定され、それは中間温帯から冷温帯南部ぐらいの植生帯に相当するやや冷涼な古気候であったと考えられる。

試料採取地の地層は、メタセコイア属などの第三紀型植物群の花粉化石が検出されないことと、マツ属(複維管束亜属)とトウヒ属が同時に高率になるような花粉化石群集は最終間氷期以降知られていないことから、中期更新世頃に堆積したものと考えられる。