4−2−2 断層調査における物理探査の目的

断層近傍の浅部の地質構造を把握することは、断層の活動性等を推定する上できわめて重要であると言える。従来から断層の活動性を把握する目的でトレンチ調査が行われてきている。しかし、トレンチ調査を実施する箇所を特定する事は一般的にはかなり難しい。そこで、今回の調査では非破壊的な物理探査手法である電気探査(比抵抗映像法),重力探査(マイクログラビティ探査)および反射法地震探査(浅層反射法)と数本のボーリング調査により、地表浅部の地質構造を連続的に捉え、断層位置の特定、変位量の推定等を目的として実施した。

実施個所は北から本郷地区、萩ヶ台地区および下保木地区の3カ所である。以下に各地区で実施した物理探査とその選定理由、目的、手法および探査仕様についてまとめた。