(7)広島花崗岩類(中生代白亜紀後期)

@閃緑岩

(a)分布

歌野ダム上流に、ほぼ楕円形をした規模の大きな露出が認められる。これは、豊浦層群の砂岩頁岩互層および関門層群脇野亜層に貫入している。数m規模の貫入岩体は、大藤地区および上岡枝地区の歌野川河床に点在する。また、岡枝地区には閃緑岩礫を多量に含有する第四系が分布することから、被覆層下に閃緑岩岩体が伏在している可能性が高い。

(b)岩相

細粒〜中粒の自形ないし半自形の等粒状組織を示し、暗黒色から暗緑色を呈する。構成鉱物は、主に斜長石・石英・カリ長石・角閃石・黒雲母よりなる。風化の著しいものはマサ土状を呈し、節理は消失している。

A黒雲母花崗岩

(a)分布

調査地北部の豊浦町小串および南東部下保木周辺に広く分布する。下保木地区の岩体は美祢層群に熱変成を与えている。

(b)岩相

細粒〜中粒で、自形の等粒状組織を示し、淡桃色から灰色を呈する。節理が良く発達する。木屋川により開析された沖積低地との境界付近の花崗岩は、節理の間隔が2〜3cm以下と非常に小さくなる。径5〜50cmと様々な大きさの暗色塩基性捕獲岩塊を多量に有することが特徴である。構成鉱物は、主に斜長石・石英・カリ長石・黒雲母よりなる。風化の著しいものはマサ土状になり、節理等の岩石構造の確認が困難になる。