(6)下関亜層群

@分布

調査地北部の豊浦町に広く分布する。菊川町側では上岡枝地区から貴飯峠にかけて分布する。豊西層群・脇野亜層群をほぼ平行不整合に覆う。

A岩相

デイサイトと安山岩からなる北彦島層と、礫岩からなる筋ヶ浜層に区分される。前者は構造的下位に位置し、後者が上位に分布する。

北彦島層は、デイサイト質の砂質凝灰岩〜火山礫凝灰岩〜凝灰角礫岩を主体とする火砕岩類と、安山岩溶岩からなる。デイサイト質火砕岩は、明灰〜灰から緑灰色を呈する岩石である。主たる岩相は径数mm以下の長石の結晶、微細な有色鉱物の集合体を含む凝灰岩である。次いで礫径数mmの角礫(珪長質岩、安山岩)を含む火山礫凝灰岩が広く分布している。安山岩は、溶岩を主体として、一部に火山礫凝灰岩を伴う。黒色から暗灰色を呈し、径約1mmの針状結晶や径数mm程度の長石の斑晶を含む。

筋ヶ浜層の分布は局所的で、側方への連続性に乏しい。礫岩は、径2〜20cm程度のチャート・砂岩・頁岩・デイサイト・安山岩・珪長岩等の円礫ないし亜円礫から構成される。筋ヶ浜層の礫岩は、火成岩礫を多量に含有することが特徴である。