(10)第四系

@古期崖錐堆積物

(a)分布

河川沿いの低地、およびその周辺の沢出口付近に分布する。

(b)岩相

豊浦層群由来の砂岩・頁岩の亜角礫からなるものと、石英斑岩由来の角礫(岩屑)よりなるものがある。前者はクサリ礫を含み、礫径は5cm以下のものが多い。後者は締まりが良く、礫径が2〜3cmのものが多い。豊浦層群由来の亜角礫層は、主に調査地の北東側山地末端部に分布し、石英斑岩の岩屑は地表に露出する石英斑岩岩体の周縁部にのみ認められる。

A段丘堆積物

(a)分布

北部では本郷川に沿って局所的に認められる。

中央〜南部では歌野川・木屋川によって開析された低地と、山地斜面の境界付近に点在し、地形的な平坦面を形成している。また、上岡枝地区の低地にも局所的に点在する。

(b)岩相

歌野川および木屋川流域のものは、細粒な砂を基質とし、礫径2〜15cm程度の砂岩・頁岩・石英斑岩・閃緑岩の亜円礫層を主体とする。礫層のなかには、細粒砂層、シルト〜粘土層が薄層として挟在する。亜円礫層は、礫径が20cmに達するものも含まれる。赤色化したクサリ礫を多量に含むものと、クサリ礫を含まない新鮮なものとに区分される。一般に新鮮なもののほうが、径の大きな礫を多量に有している。砂層は淡褐色を呈し、極少量の細礫を含有し、シルト〜粘土層に漸移する。シルト〜粘土層は、灰色ないし淡褐色を呈し、稀に、その最上位に木片を取り込んでいることがある。

上岡枝地区の低地に点在するものは、砂岩と頁岩の亜円礫を主体とする。礫径は5mm以下のものが多く、最大でも5cm程度である。

B扇状地堆積物

(a)分布

上岡枝地区の歌野ダム出口から、木屋川および田部川に囲まれた低地に広く分布する。

(b)岩相

礫・砂・粘土からなる。

C沖積層

(a)分布

本郷川・川棚川支流・木屋川・田部川・歌野川・貴飯川とそれらの支流・沢の流域に分布する。

(b)岩相

礫・砂・粘土からなる。

D新期崖錐堆積物

(a)分布

各河川の流域と山地斜面の境界付近、および上岡枝地区の低地とその周辺の山地斜面との境界に分布する。

(b)岩相

礫・砂・粘土からなる。