(2)測定方法

比抵抗映像法は、電気探査のうち水平探査を発展させたものである。従来の水平探査では、結果を2次元的に表示する方法として疑似断面法が用いられてきた。しかし、この方法は上記で述べた見掛比抵抗(観測データ)をそのまま用いたものであり、複雑な比抵抗構造や測定データに含まれている地形の影響を取り除いて解析する事は困難であった。これに対し、比抵抗映像法は、大型コンピュ−タ−を用いて解析することにより測定データから真の比抵抗構造を求めることが可能である。従って従来の電気探査解析手法と比較して高精度で客観的な結果を得ることが可能である。

基本となる電極配置は、図2−3−2に示すように一般に2極法と呼ばれるものである。この方法では、それぞれ2本の電流電極(C1 ,C2 )・電位電極(P1 ,P2 )のうち各一方の電極C2 とP2 を十分な遠方に接地し、残りのC1 とP1 の電極を移動させて測定する。C2 とP2 を特に遠電極と呼ぶ。

2極法によって測定される見掛比抵抗の値は以下の式で定義される。

ρa =2πa(V/I)(Ω・m)  −−−−−− @

ここで、  a:C1 とP1 の電極間隔(m)

      V:P1 P2 間の電位(V)

       I:C1 C2 間の電流(A)

以下に実際の測定手順をまとめる。

@測線外の十分はなれた地点(一般に測線から探査深度の10倍以上)に、遠電極として電流電極(C2 )と電位電極(P2 )を設置し、それらをケ−ブルを用いて電気探査器に接続する。

A図2−3−3に示すように、測線上の1.0m間隔の測点杭の位置に電極を設置し、それらをケーブルを用いて測定本部のコネクターボックス〜電気探査器の接続する。

測定は、まず電流電極(C1)を固定し、C1とC2間に通電(通電電流は最大100mA程度)する。そして、そこから1.0m間隔の電位電極(P1〜Pa)と遠電極(P2)との間の電位差をそれぞれ測定し、最大電極間隔15.0mまで繰り返し測定する。(第1展開)

B電流電極(C1)、および電位電極(P1〜Pa)をそれぞれ1.0m(電極間隔)ずつ移動して同様の測定を行う。(第2展開)

C以上のような操作を測線全体について繰り返す。

表2−3−2に探査の諸元を示す。また、使用した測定機器の一覧表2−3−3を示す。