7−2 セグメントB(中部地域:長井盆地西縁)

本地域は、調査範囲の中で最も明瞭に変位地形が認められ、2箇年の詳細調査により4地点において完新世以降の活動イベントが明らかになった。しかし、白亜紀花崗岩類を主体とする朝日山地から流下する小河川により、多数の扇状地群が発達していることが明らかとなった。従って、炭質物等の年代試料に乏しく、活動時期に関する詳細は明らかにならなかった。特に、完新世以降の断層の活動間隔については不明であり、今後明らかにする必要がある。

北方に隣接するセグメントAとは、断層の方向や変位形態が異なり、基盤地質構造も異なることから両者が連動する可能性は低いと推定される。

南方に隣接するセグメントCとは、詳細調査と年代測定により、両者とも完新世以降の活動イベントが確認された。両者はいずれも西側隆起の逆断層であり、撓曲変形を主体とし、変位形態は類似する。また、比較的近接する飯豊町と米沢市では、いずれの地点でも約6,000〜7,000年前以降の断層活動が認められた。以上から、セグメントBとCが連動する可能性も考えられる。この場合、断層の延長は約40kmとなる。