(2)平均変位速度

平成12年度に地表踏査を実施したが、本地域では、地塁−地溝状の地形が存在したり、炭質物等の年代測定試料に乏しいことから、正確な平均変位速度を見積もることは難しいと判断された。

しかし、朝日町赤釜から松程にかけて分布する断層変位地形は、より広範囲の地表踏査や地形面分布を考慮すると、全体として東上がりの断層であることが明らかになっている。  

広範囲での地形面の変位量はL2面で7m東上がりであり、この値を断層による変位量とみなした。また、地表踏査による年代試料での測定結果より、近傍に分布するAM面の年代値が21,000〜22,000年前を示すことを参考にして、L2面の形成時期を15000〜20000年前と仮定する。以上より、平均変位速度をもとめると、約0.35〜0.47m/1000yが推定される。