(3)飯豊町小山地区

飯豊町小山地区調査計画図(図6−5−5

飯豊町小山地区地形断面図(図6−5−6

1)来年度調査目的

長井盆地西縁断層帯のうち南部地域での最終活動時期および活動間隔を求める。低位段丘面(L4面)において年代測定の試料採取を目的としたボーリング調査を実施する。

2)調査計画数量およびその根拠

・計画数量:

地表踏査(精査) 2km2、ボーリング調査2m×6地点、年代測定 6試料

・根  拠:

飯豊町小山地区は、長井市平山地区同様、新期の扇状地面に変位地形が認められる。八木(1999)は、新期の扇状地面に約3mの段差が認められ、2回分の断層変位を累積している可能性を指摘した。平成12年度の地表踏査(概査)および地形断面調査でも、人工改変をうけているものの、比較的明瞭な段差が認められた。またその段差は北部では3〜4mであるが、南へ次第に減少し、柳沢の付近ではほとんど認められなくなる。これは、長井市平山地区同様、扇状地面の形成時期に差があり、それぞれの扇状地面で保存している断層活動の回数が違う可能性が考えられる。

以上から、この地区を対象に断層の最終活動時期および活動間隔を求め、断層の活動性の評価を行う。さらに長井市平山地区など他地域の結果と総合的に判断し、断層活動単位や関連性についても検討する。そのためには、地表踏査(精査)を実施し、地形面の分布と断層変位地形を把握することが重要となる。さらに地形面の形成年代を特定するために、ボーリング調査を実施する。本地区は礫層が主体であると考えられ、また地形面の形成年代を明らかにすることが第一の目的であるため、各ボーリング深度は2mとする。またボーリング地点は断層による変位量を確認するために断層崖を挟んで上盤側、下盤側各1地点を1組とし、3〜4mの段差が認められる箇所(小山No.1,No.2)、1〜2mの段差が認められる箇所(小山No.3,No.4)、変位が認められない箇所(小山No.5,No.6)の3組、計6地点とする。

飯豊町小山地区調査計画図(図6−5−5

飯豊町小山地区地形断面図(図6−5−6