(1)断層活動時期の検討

本地区においても北境地区と同様に地表付近で明瞭な断層面は確認されず、地形面の撓曲変位のような幅の広い変形帯の存在が推定された。したがって傾斜不整合から伏在断層の活動時期についての検討を行うものとする。

比較的連続性の良いtsU層(約6,000〜8,000年前の腐植土層)が西に向かって傾斜していることから、最新活動時期はtsU層堆積以後であると推定される(図4−1−3)。その下位のtsV層(約8,000〜12,000年前の礫質粘土層)についてみると、土渕No.4地点と土渕No.5地点の間及び土渕No.6地点と土渕No.7地点の間において下面深度に明瞭な差が生じており、断層活動があったことが推定される。しかしこの活動がtsU層を変形させた活動より前に起こったものかあるいは同じものかについては本調査結果からは断定できない。